就職はしんどいし好きなことを仕事にしたい・・
嫌々で働く毎日。バイトだろうと正社員だろうと、働くことがしんどいと好きなことで生きている人が羨ましく見えます。
今はネット社会なので「好きなことで生きていこう」といったメッセージも多く見かけるようになりました。ユーチューバーやブロガーといった生活を・・と考える方も増えていますよね。
しかし、注意しておかねばならないのは、思いつきで好きなことをやってしまうと、全く成果につながらないということ。
なぜなら、好きなことで生きている人は、一定の下積み条件を整えてから、好きなことに挑戦しているからです。一部の天才を除き、いきなり好きなことが出来る人なんて一人もいないのです。
- 好きなことで稼げるならユーチューバーもいいな
- 会社は毎日退屈だし、さっさと辞めて好きなことをしたい
このように考えている方に、好きなことで生きていくために必要な条件を解説してみます。
20代が考えがちな「好きなことで生きる」の問題点と原因
まずは20代といった若い人ほど誤解している、「好きなことで生きる」の問題点に触れておきます。若さゆえに気づかない落とし穴もあるので、チェックしてみてください。
「好きに生きる道」は今の時代に言われ始めた話じゃない
「好きなことを仕事にしたい」と考え始めると、とにかく今の仕事を辞めて、やりたいことに進みたくなります。僕もなのですが、ネットなどで好きなことをしている人が羨ましいんですね。
しかし、焦って好きなことで生きていこうとする必要はありません。今の時代は、ネットがあるからこそ周りが好きなように生きる手段で生活できているように見えるだけ。
そもそも「好きに生きる」という話は今に始まったわけじゃないんですね。一昔前のバブル時代は、バイトの身分だろうと正社員並に稼げたのでフリーターという生き方が注目されました。
当時「周りが楽しそうにやってる」という理由でバイトを続けた人たちは、今は仕事がなくて困っていることも多々あります。僕も人材業界で働いていて、バブル世代の方が仕事を探しにくるのを見ているので・・。
好きに生きる、自由に生きるという道を選ぶ以上は、相応の代償がついてくることもあると心に止めておくべきです。
好きなことで生きる自己啓発本は商業コンテンツでもある
自己啓発本なども多く出版されていて、「好きなことで生きていこう」といったメッセージを含ませた物も人気です。
有名どころだと元ライブドア社長の堀江貴文さんとかです。もちろん、堀江さん自身が悪いわけではないのですが。
「好きなことで生きよう」というフレーズは、今の閉塞的な社会に刺さるので、一定のコンテンツになっているのも事実。つまり、商業的に売られている側面もあるんですね。
もともと堀江さんは、自由にやればいいといメッセージを10年以上も前から言っていた人なので嘘はないのですが・・。今は、商業的に儲かるということで「好きなことで生きるコンテンツ」を売る人も多いです。
バレンタイン商戦はお菓子会社がチョコを売るために仕掛けた戦略なのは有名な話ですよね。同じように、「好きなことで生きる」をメディアが仕掛けている部分も意識すべきです。
方向性を間違うと一気に転落人生を歩む
僕自身は、好きなことで生きていけばいいじゃないかと思う派です。ただ、好きなことをやろうにも方向性を間違うと一気に転落人生に変わることも知っています。
僕の勤めている人材紹介の事業所にも、過去に好きなことをやっていたけど、失敗して就職をしようとやってくる方もいます。
まだ30代そこそこの僕がいうのも悪いですが、どう考えても方向性を間違っているよなと思うケースも・・。
最近だと、アナログレコードが好きで、良さを広めるためにお店をやっていた男性がいたんですね。音源をネットでDLする時代に、かなり難しいことをやっていると失礼ながら思いました。
アナログレコード時代なら、それなりにやっていける可能性もあると思うのですが。好きの方向性も、間違ってしまうと一気に転落しかねないので注意です。
「好きなことで生きていく」ための本質的な条件3つ
好きなことで生きるなら、本質的な条件を整えるべきです。
僕も独立して好きなことを始めている方から話を聞く中で、納得しているポイント3つを挙げてみます。
「好きなこと」が社会的な価値を生んでいる
好きなことで生きようと思っても、その活動が社会的に価値を生んでいなければ仕事として成立しません。先程のアナログレコード販売の男性も同じですよね。
アナログレコードが普及している社会ならすんなり受け入れられますが、今の時代はアナログレコードを知らない人もいます。つまり利用する人は、コアな層という偏りが起こります。
そのため社会的に価値を生んでいないと、いくら好きでも長くは続けられない可能性が高いということ。もし、好きなことで生きる構想を練って、社会に価値が還元できないなら考えるべきです。
例えば「好きだから」という理由で、家でゲームばかりしていても仕方ないですよね。
険しい道ですが、プロゲーマーのように観客を動員するエンターテイメントになってはじめて価値につながるわけです。
ユーチューバーなども、楽しそうにゲームをしている印象がありますが、お客さんにいかに喜ばれるかを考えています。そこに広告主がつくなり、価値が発生するという仕組み。
価値を生み出せるかどうかを考えないと、結果的に「好きだからやった」で終わってしまうので注意しておかねばなりません。
「好きなこと」にまつわる経験や体験がある
何にでも言えることですが、好きなことは経験や体験があって成立します。例えば、いくら野球が好きで子供に指導したくても、経験がないと教えられないですよね。
楽しそうに野球教室を開いている人たちは、子供に教えられるだけの努力や練習をやってきた選手です。教わる方も、野球経験者じゃないと不安なのは言うまでもありません。
しかし、いきなり好きなことで生きようと思うと無理が出ます。経験も体験もないという人が、どうやってその道のプロと戦えるのかという話です。
もし好きなことで生きていきたいと思ったとき、あなたがどれだけ経験や体験を持っているのか。少し考えてみるようにしてください。
幼いころから何かに取り組んでいた方だと、仮に20代でもやっていけるかもしれませんが。多くの方は、そう簡単に経験を積めるわけではないという事実があることをお忘れなく。
「好きなこと」で100人中1番になれる自信がある
あなたが好きだと思うことは、他の誰かも好きなことである可能性が高いですよね。そうなると、好きなことをやるにも競争が付きまといます。
どれだけ好きなことでも、競争したら必ず順位が付きます。その競争の中で、どれくらい生き残れる力があるかは分析しておくべきです。
例えば、100人のライバルがいるとして、その中で1番になれる自信を持てるかどうかです。この指針は、社長さんのセミナーなどで聞いていてよく出てくるフレーズなんですね。
この数字の根拠は、上位1%の人になるための戦術としての考え方にも繋がります。藤原和博さんという方が、仕事で食いっぱぐれないための働き方を提唱して話題にもなっています。
どれだけ好きなことに向き合う自信を持てるかという考え方でもあるので、もし興味があれば藤原さんの本を読まれてみるといいですよ。
【今から下積み!】好きなことで生きられるようになる働き方
まだ何も経験や体験がないという方は、今から好きなことで生きられるようになる働き方をすれば問題ありません。
例えば、目的意識を明確にした働き方を目指すと、好きなことで生きる力が身につきます。
就職先の会社でパクれること、覚えられることは学ぶ
好きなことで生きていきたいなら、一般的な会社でやっているような物事は一通りできるようになったほうが得です。
全てを任されるというのは難しいところもありますが、それでも会社内で行われている業務から学ぶことは多いはず。
会社組織は仕事ノウハウの宝庫なので、パクれる技術や覚えられることはどんどん吸収すべきです。上司や先輩に仕事を教わりつつ、自分もスキルアップできると思えば得ですよね。
このように考えてみると、機械的に行っていた仕事も勉強目線で頑張れるようになります。ある意味で、会社にいる間は給料をもらえながら勉強できるいい空間なのです。
飲み会など、人との出会いの場には惜しみなく参加する
人との出会いや交流には惜しみなく時間を使っておくといいです。飲み会とか、会社の中で面倒くさいなと思いながら参加している方も多いと思うのですが・・。
僕もあまり飲み会は好きではなかったのですが、少し視点を変えて考えるようになってからは楽しいと思う部分も増えました。
人同士の交流ができると、得られる情報の質は良くなります。同時に、会社を辞めたあとも助けてくれることにも繋がるなどメリットは大きめ。
実際、僕も過去に勤めていたバイト先の人と繋がりがあるのですが、そのおかげで別業界の動向を、今も知ることができるので。
人ってバックグラウンドが誰にでもあるので、好きなことを仕事にする際に「こういう生き方もあるんだな」と参考にできるケースは知っておくと便利ですよ。
仕事から帰っても、独学で学んでいくことが必要になる
また、仕事から学ぶこと以外に、独学も頑張る必要があります。そもそも論として、勉強も研究もなしで大丈夫なことなど、世の中には存在しません。
例外的に、誰も興味を示さない分野であればライバルもいないので独学の必要はないのかもしれませんが・・。そうなると、そもそも需要がない状況にぶち当たります(汗)
だからこそ、競争にもなり得る好きなことで生きていきたいなら、できる限りの時間を投資しつつ勉強習慣を持つべきです。
仕事で疲れているのはわかりますが、好きなことのために向けた努力は苦になりにくいですから。毎日少しでいいので、時間を取れるよう考えてみるべきです。
好きなことで生きるための就職先の探し方
難しくなるのは、就職先選びになります。好きなことで生きるにも、会社選びで失敗すると大幅にロスタイムが生まれる可能性があるんですね。
そのため、正しい会社の選び方をまとめてみたいと思います。
どんどん仕事を任される職場
積極的に仕事を振ってくれる会社があるなら狙い目です。特に、若手だろうとどんどん仕事をくれるような会社は、いずれ好きなことで生きるための経験に変わります。
一般的に仕事が増えることは嫌なことと思われがちですが、僕はこういった会社であれば勉強になるのでためになると思っているんですね。
ゆっくりしたい、楽なところがいいという人は選ばなくていいのですが、成長のチャンスが仕事を任されるほど増えると考えると選びがいにも繋がります。
転職エージェントなどで、どれくらい若手に仕事の裁量があるのか質問しつつ、適切な場所に入社できるよう動くべきです。
3年以内の離職率が低い職場
会社内で振られた仕事に対応できるようになるには、おおよそ3年くらいはかかります。実際、あなたが過去に働いた職場で「1年もいたらみんなベテラン」という会社はなかったはず。
それだけ、仕事というのは覚えるまで時間を要するので、まずは離職率が低いところで丁寧に続けることが重要です。
3年続けると会社の経営も見えやすくなりますし、仮に好きなことで生きていこうとしたときにも、お手本として思い出しやすいんですね。
逆にすぐ辞めてしまうと、結果的に学ぶことも学べないまま・・という悪い思い出だけが残ります。そういう意味でも、離職率が低いかどうかは聞いておきましょう。
これらについても、転職情報として担当コンサルタントの方に聞けば教えてもらえます。まずは何を選べばいいのかチェックしてみましょう。
人の出入りが流動的な仕事
業種によるのですが、人の出入りが流動的な仕事は有利です。営業関係の仕事だと、付き合いの幅が広がりますし、いろんな情報を手にしやすいという側面があります。
逆に工場業務など、所定の位置で毎日決まった作業をする仕事だと、なかなか人の繋がりができないなどの問題があります。
人脈がすべてではありませんが、一定の人脈が出来たほうが将来的に有利なのは間違いありません。もし人の出入りがない職場にいるなら、思い切って転職するのも手。
もちろん、人の出入りが少ない業種に関連した仕事が好きなら、無理に動く必要もありません。あくまで、「好きなことで生きるための人脈が必要な人向け」の話と解釈してください。
僕も取引先の方と飲み会などは行きますが、それでも頻繁に出るわけでもないので。腰を据えて話せる人脈作りって意外と大変だなと、書いていて思いました(笑)
まとめ 好きなことで生きたい20代ほど「いい下積み」を目指すべき
「下積みなんて古い」という方もいらっしゃいますが、まずは土台となる基礎部分を作った上で本体を組み立てるのが筋です。
飛行機を飛ばすなら、滑走路はできるだけ長くしておいたほうが余裕がある感覚に似ています。もし好きなことで生きていきたいと思っても、土台がなければ・・余裕がないですよね。
まずは下積みができる環境に身を置き、じっくりと働いてみることをおすすめします。
いい環境はいくらでも手に入る時代です。もしいい職場環境をお探しなら、転職エージェントに相談されてみるといいですよ。