田舎で就職できないと、都会に行かなきゃならないの?
地方や田舎でフリーターをしている20代の方は、都会に行った方が仕事があるのでは?と考えますよね。若い身分だからこそ可能な選択肢なので、当然悩むかと思います。
僕は幸い、都会寄りの場所に住んでいるので、そこまで地域の差で仕事に困ることはありませんでした。ただ、友人の話なんかを聞いていると、都会有利な面は否定しません。
しかし、「田舎を離れたくない」という明確な思いがある方なら、そのまま田舎で就職してしまうべきです。
なぜなら、都会に上京したからといって、劇的に人生が変わるということはありません。基本的には能力に応じて仕事を決めるので、田舎から都会に行ったくらいでは変わらないんですね。
もちろん、選べる業種が増えたりチャレンジできる環境は生まれますが。そこで今回は
- 地方や田舎に住んでいるけど、都会に出て働くか迷っている
- 地元で就職したいけど、仕事がないのでどうすべきか教えて欲しい
こういった田舎の20代フリーターに向けて転職論を解説します。読んでみた上で、田舎で働くか上京を考えるか判断して下さい。
僕が20代に田舎を離れて上京することを勧めない理由3つ
ちなみに、僕は無理に田舎を離れることを、推奨しない考えを持っています。20代フリーターという不安定さも影響していますが、根本的に勧めない理由をまとめてみました。
「上京すれば仕事がある」と「上京すれば採用される」は違う
確かに上京すると仕事の幅は一気に増えます。地方に住んでいると、仕事を選ぶ余地がないという悩みに出くわすのは仕方がないことですよね。
僕も人材紹介の仕事をしているので、「仕事がなくって・・」と出て来られる方ともお話することが多いんですよ。その中で、仕事があると思って出てきても、実際にできる能力があるかは別物。
仮に地元が全くITと無縁で、じゃあ上京したらIT関係の仕事に就けるかと言うと・・。やっぱり能力が関係するんですよね。
やりたい仕事があるなら、上京してチャレンジするのもいいのですが、仕事があるのと採用されるのでは別物だと思っておきましょう。
フリーターなら「政令指定都市」や「地方都市」で探すだけでも変わる
上京すればと言いますが、政令指定都市や、もしくは地方都市なんかでも十分に仕事はあるんですね。昔に比べて、今はネットなどが進化しているため、働き方も多様化しています。
ひと昔前だと、例えばゲームプログラマーなどは、東京に集中していないと難しい側面もあったのですが。今は地方都市レベルでも、普通に会社が設立されていたりします。
都会に会社を構えるのは、それだけ経費もかさむので、地方でひっそりやろうじゃないかという考えで運営しているわけです。データでやり取りするだけなので、地方なら開発コストも下がりますからね。
少なくとも政令地方都市など、もう東京など大都会となんら変わりません。ちょっと電車で移動するくらいでも、就職できる幅は広がっていると言えます。
上京しても賃貸節約などで、電車1時間とか普通に通勤時間が必要ですよね?それなら、地方都市に出て行くくらいの感覚で、田舎から仕事に出る手もあるのです。
上京に意欲がある人は、そもそも悩まず話を進めている
すみません。そもそも上京に意欲的な人は、あまり悩まず話を進められていると思います。ここで悩むということは、やっぱり今住んでいるところに対して思い入れがあるんですよ。
そこには、まだ独り立ちできない不安があったり、実家暮らしで出費を抑えたかったり。個々の価値観が強く地方暮らしをプッシュしているなら、無理をすることはありません。
若ければ若いほどフットワークも軽いので、20代なら都会で働いてみろ!と勧める人がいるのも事実ですけどね。価値観と相談して決めることだと僕は思います。
田舎で働くメリット・デメリット
田舎で働くメリットとデメリットについて触れておきますね。
メリット①親や友人など人的なサポートを受けやすい
住み慣れた町だと、仕事以外の面でのサポートは充実しています。おおよそメンタル面では、親や友人が傍にいると安心できますからね。
都会に行くと、どうしても他人に無関心な傾向が強くでるので、頼りたい時に助けてもらいにくいことが増えてきます。
最近だと「吉沢ひとみ飲酒引き逃げ事件」で、はねられた人に無関心な周りの人たちが問題視されました。「田舎だと考えられない」という声が上がっていましたが、そういう側面はあります。
ただ仕事に行くだけなら誰でもできることですが、その背景には周りのサポートも多くあるということです。
メリット②実家暮らし、もしくは一人暮らしでも生活費が抑えられる
生活費はやはり田舎が圧倒的に安いです。実家暮らししているフリーターの方など、最低限の家賃を家に入れておけば他は好きに使えますし。
正社員になっても実家で貯金している人はいますし、仮に一人暮らしをしても地方はとにかく賃貸が安いので。都会の3分の1くらいで住めるのは当たり前です。
都会はよくも悪くも消費社会なので、街を少し歩くだけでも美味しそうな物が目に入って浪費に繋がります。
お金のことを考えて、田舎でしっかりコントロールするのはありだと思います。
デメリット①起業しない限りは、地方や田舎の仕事は限られる
地方や田舎の仕事は、限られている側面もあります。昔に比べて職種が増えたと言いつつも、クリエイティブな仕事やメディア関係などは都会に集まっていますからね。
起業して新しい仕事を生み出すというの道もありますが、20代くらいだと社会に出てまずは経験を積んでから頑張った方が分かりやすいはず。
地元で仕事が見つからないなら、上で書いた通りですが、少し人口が多い地域に行くなど行動を取る必要がありますね。
デメリット②給料は都会に比べて少なくなる
地方は物価が安い分だけ、給料も少なくなります。地方と都会だと年収幅もかなり差が生まれます。都会だと年収400万だとそんなに多いと言えないのですが、地方だとそれなりに多いです。
これも生活スタイルと言いますか。いくら都会で年収500万を稼いでも、家賃で飛んでいてはあまり意味がありません。
地方で年収が少なくても堅実にやり繰りすれば変わらない側面もあります。
「俺は年収○○万円だ」と数字で大きく見せたいなら都会に行かないと、田舎でガッツリ稼ぐのは難しいところですね。
都会で働くメリット・デメリット
都会で働くメリット・デメリットにも触れておきます。
メリット①仕事は豊富にあるので選べる
とにかく仕事は豊富です。採用されるかどうかは別として、都会にない仕事が田舎にあるというケースは少ないですね。農業などはさすがに田舎有利ですが、他では都会有利になります。
仕事の能力によりますが、もし一定のスキルや経験があるなら、仕事に困る若者の方が少なくなるんですね。20代なので、未経験者でもいくらでも働く窓口はあります。
「都会に行かなければいけない仕事がやりたい」という思いが強い方は、そのまま都会に行った方が早く仕事は決まるはずですよ。
メリット②趣味や娯楽など遊びは豊富
都会に行くと趣味や娯楽の充実度が違います。例えばフィギュアを集めるとか購入したいモノがあるなどだと、今はネット通販もあるので手に入らない物はないのですが。
みんなで集まってオフ会でゲームをしたり、サークル活動をしたいなら人口密度の多いところが断然有利です。
田舎にいるとネットでオフ会が実現しても、ごく少数でしか集まらないなど問題が出てきますから(汗)
デメリット①家賃は地方や田舎の比にならない高さ
「生きるだけでお金が消えて行く」という側面が都会にはあります。かなり賃貸料金が高くなるため、地方レートの家賃に慣れている人にはショッキングな話かと。
地方都市などになると、その立地の良さからは考えられないほどの賃貸で住めたりしますからね。「2万もあれば家賃が支払える」など普通にある話です。
特に東京などに出てくると、その高さは際立ってきます。住むだけでお金が減るのはイヤという方は、価値観的に都会が向かないです。
デメリット②いざと言う時に周りに助けを求めにくい
都会で一人で生きるのは大変なので、いざと言う時には周りに助けを求めたいですよね。しかし、風邪を引こうが入院しようが、親族などがいなければ助けを借りにくいです。
友人がいたとしても、彼らも生活でいっぱいいっぱいなので、よっぽどで無いと助けてくれることはありません。親友とかなら別だと思いますがw
今だとシェアハウスなどで、友人と一緒に住む人もいるんですけどね。そういう組み合わせで生活できない人などが大半なので、これはデメリットだと言えます。
それでも地方・田舎で転職先がない!どこで探すべき?
地方や田舎で「就職先がない」という人は、どこで探すべきかについて解説しておきます。
転職サイト・求人エージェントは地方ほど使え
求人サービスについては、穴場であるほど利用して行くべきです。都会の方なら、当たり前のように転職サイト・求人エージェントを使うのですが、地方も例外なく使いましょう。
仕事の絶対数でいうと、どうしても田舎は少なくなるので不利に思えてくるのですが・・。実は利用ユーザーも少ないので、競争率としては低くなる穴場がネット就活になります。
みんな周りが当たり前のようにネット就活している訳でもなく、登録したりエージェントに来社するのも手間暇がかかりますよね?
この手間暇があるから、地方の人ほどハローワーク1本に絞って、勝手に仕事がないと言っていたりするわけです。あなたも心当たりがありませんか?ハロワしか使っていないと。
地方の人ほど、ネット求人が少ないという先入観にとらわれがち。まずは登録して、非公開求人などをチェックしてみるべきです。
地域おこし協力隊は20代を求めている
20代だと地域おこし協力隊などは、おすすめできる仕事の一つになります。地方創生という、各自治体が取り組んでいる地域活性の運動があることをご存知でしょうか?
地方に若い男女を呼び、地域を盛り上げる仕事を頼んでいるのです。地方だからこそできる仕事や、盛り上げたい仕事ってあるんですよね。
そこで地域おこし協力隊が募集されていたりします。20代男女がひとつの地域を盛り上げるって、社会人サークルのような楽しさがあるので、少し調べるだけでも違います。
20~30代くらいの若者たちで頑張るので、都会では体験できない貴重な生活ができる点も注目したいところ。フリーターでやりたい事がないなら、試してみるいいチャンスですよ。
介護業界は若者を待っている
これは僕自身が、介護業界を経験しているのもあるのですが。全国、どこに行っても介護業界は人手不足です。特に高齢者の多い、地方に行けば行くほど、介護職は溢れています。
介護は人生における、一生の仕事にできると言っても過言では無いほどメジャーな仕事になりました。高齢化社会を迎えるに当たって、介護スキルは身につけておいて損はありません。
20代で介護に挑戦しておくメリットは十分にあって、若い間に資格を取って経験を積んでおけば、年を重ねた時に現場で肉体労働をしなくて良くなる点です。
もし30代、40代になって介護をやるとするなら、そこから下積みが必要ですよね。体力的に落ちてくるのに、しんどい思いをしたまま・・という問題が起こってきます。
これらのことから、介護をやるなら出来る限り20代スタートが理想と言えます。田舎になればなるほど仕事があるという、時代の逆を進んでいるレア業界ですよw
まとめ 自分の労働観が、田舎か都会かの向き不向きを決める
結局のところ、自分の労働観が働き方を決めます。
20代という若い間だからこそ、田舎を出るという選択も浮かぶので迷うところはありますが。これらを踏まえてまとめると
【田舎での仕事が向いている人】
安心・安定した環境でのんびり過ごしたい
【都会での仕事が向いている人】
刺激や慌ただしくても自己実現を目指したい
こういった感じで分けられます。断片的な部分ではありつつも、どちらの働き方が正しい・間違いということではないんですね。
個々の価値観で考えた時に、どういう環境の中で生きて行きたいかを考えるべきと言えます。