飲食の仕事ってどんなことをするの?
フリーターでも飲食業界は就職しやすいと言われてます。資格が不要だったり、未経験者にも求人が豊富なため、正社員への就職に考える方も多くいます。
実際、世の中は多くの飲食業でにぎわっており、働いたことが無い方でも、なんとなく仕事内容を把握できているはず。
しかし、いざ就職を考えてみると、ブラックな環境も多いといった悪い口コミも気にしてしまうのではないでしょうか。
実は、このブラックな環境はしっかりと飲食店での仕事内容や仕組みを理解しておけば避けられるようになります。
そこで今回は、僕も元ラーメン屋で働いた経験を踏まえて飲食店の実態を解説しておきます。
- 飲食店で働いてみたいけど、仕事内容が分からない
- ブラックな飲食店を避けるために知っておくべきことは?
こう言った点に触れながらまとめました。
飲食店での仕事内容【部門別に3つ紹介】
飲食店で働く際に任される仕事内容をまとめてみました。
フリーターからの就職を基本に考えているため、ここでは一般的な飲食業(ホール・キッチン・店長)をメインにお話しておきます。
そのためエリアマネージャーや、マーケティングなど専門領域については触れません。あくまで店舗スタッフに絞っています。
ホール(フロアでの接客スタッフ)
来客対応、レジ打ち、配膳、オーダー受けなど
ホール業務は、飲食店に行ったら必ず目にするサービスなのでイメージしやすいと思います。来客対応に始まり、お会計の後までをこなす役割ですね。
目に見える範囲でやっていることだと、注文を受けて配膳しているだけのように見えますが・・。実はかなり気を配りながら仕事をしています。
配膳しても追加オーダーはありますし、下にお箸を落としたりするなどトラブルへの対処に気を利かせなければいけません。僕もラーメン屋でバイトを始めた当初は、疲れたものですw
来客とキッチンを繋ぐ飲食業の軸となるポジションと言えます。僕もホール担当でやっていました。
キッチン(厨房での調理スタッフ)
調理、洗い物、盛り付け、清掃など
キッチンはそれなりに熟練された人でないと、いきなり入るのは難しいです。店によっては、完全にキッチンは正社員がやっていたりするので。
調理はもちろん、盛り付けなどは慌ただしく、とにかくスピーディーに作らないとお客さんを待たせてしまうため慌ただしさがあります。
飲食店でいちばん多いクレームが「注文から時間が経っているのに来ない」ですからね。これは飲食店を利用された方であれば、すぐに分かるクレーム内容かと。
また、清掃や除菌は徹底されており、ノロウイルスなどに警戒して清潔にするのも仕事になります。
店長(現場責任者)
現場における総責任者、従業員の採用、在庫管理など
「店長候補」といった仕事も多く求人に出てますよね。現場における責任者なので忙しいのですが、実はホールやキッチンほど慌ただしくはありません。
もし慌ただしくなるとするなら、人手不足で店長自らもスタッフとして全力で稼働しなければいけない時です。だいたい店長になると、全体を見渡して適確な指示を出す方が多いんですね。
規模にもよりますが、店長のメインポジションはキッチンにいることが多いです。その他、バイトや従業員の採用に関わったり、在庫の発注なども行っています。
問題はフリーターから店長になれるのかという話ですが、あくまで最初は店長候補として雇われるので、まず働いてみてどういう働きぶりになるかチェックされるところから始まります。
稼ぐ金額もよくなるので、しっかり収入を貰いたい人は狙うといいですよ。僕のラーメン屋時代の店長も、最初はフリーターで始めたそうで、勤めて行く中で昇格していました。
飲食店での仕事が向いている人
フリーターから働く場合、どの職種でも向き不向きは気にされるはずです。そこで僕自身が働いた経験から、「飲食業はこういう人が向いている」という特徴をまとめました。
接客の仕事経験がある
接客系の仕事から入ってきた人は、やはり経験値の違いで得をしています。お客様と直に接するため、仮に異業種からの転職でも通じるところは同じなので。
何でもいいのですが、人を相手にしているかどうかは、採用される際にも影響します。どうしても未経験者やフリーターだと過去の経験から判断するしかないですからね。
すでに飲食店でバイトをしている方などは、正社員の道は早く開かれると思っておいて大丈夫。実際に僕と一緒にラーメン屋で働いていたフリーターの方も、別の店ですが経験を活かして正社員になっていました。
接客経験は飲食の世界では大きなアドバンテージとなります。
言葉遣いやマナーが分かる
フリーターとして働いていると、社員教育をろくに受けていないまま歳を重ねている人もいるんですね。そういった方は残念ながら、来客対応を含めて苦労します。
言葉遣いやマナーというのは、呼吸するレベルにこなせないとお店では対応できません。これは来客対応に限らず、チームとして働く上でも欠かせないスキルになります。
幸い、僕は腰も低く、一般的なマナーは持っていたので問題はありませんでした。自画自賛するのも変ですが、ごくふつうのマナーをわきまえてる方なら大丈夫ですよ。
気配りができる
言われたことを実行することはもちろんですが、自分から気づいて動けるかどうかも飲食では必要なスキルになります。
例えば、お客さんの水が無くなっていたら、気を利かしてこちらから声を掛けるとか。放置されたまま、お客さんから「すみませんが・・お水をください」と言わせたら申し訳ないですよね。
お箸を落としたら拾って差し上げるとか、飲食店で当たり前に起るトラブルも、気配りで対応していく必要があります。
これはどの業界でも言えることではありますが、接客業をするなら忘れてはいけない問題だと覚えておきましょう。僕も最初は全く気が利かない人間でしたから・・(汗)
飲食店での仕事が向かない人
「こんな人は飲食店に向かない」というパターンもあります。やる気が失せると申し訳ないのですが、先に知っておけば良かったという後悔を減らす意味でまとめてみました。
努力すれば乗り越えられるポイントでもあるので、そこまで複雑に考えることはありませんけどね。
清潔感がない、髪型にこだわりがある
飲食業界で働くには、一定の清潔感は必要です。オシャレを目指していて、髪型をあまりいじりたくない方は、20代くらいだと多いのですが・・。
ファッション重視で、ちょっと髪の毛が長い人だと、あまり印象は良くありません。お店もアレコレ言って諭すことなんてしてくれないので、黙って面接で弾かれることも。
特に男性だと、女性と違い髪を伸ばすことは良しと見なされにくいです。よっぽど髪型にこだわりがないなら、さっさと切る方が無難と言えます。
飲食店の仕事におけるスピードについていけない
飲食店なので、ピーク(客数の増加)はかなり忙しいです。次から次にお客さんが来るので、そのまま注文数もどんどん捌かないといけません。
この時に要求されるスピードについていけないと、飲食店で働くのは厳しくなります。ランチや夕食など、毎日のようにピークはやってくるわけですから。
ここで周りに比べて遅く、全く対応できないとなると、しんどさは何倍にも膨れます。もちろん、慣れれば問題なく誰でもできるようになるケースが大半です。
よっぽど不器用過ぎるという方だと、少し考えてみた方がいいかと。飲食店で働く人の動きを見て、真似できると思えば問題ないですよ。
仕事を覚えられない・優先順位がつけにくい
飲食店では口頭で言われたことを覚えて行くケースが大半です。もちろん、メモ用紙を持って働きながらメモすることも出来ますが・・。
慌ただしい時など、メモをするより行動することを求められると覚えにくいですよね。
また仕事も優先順位をつけて動くなどが必要で、言われたことだけやっていると厳しいです。
自分なりに学習して仕事を覚えて行く。優先順位を意識して働ける。これらが出来るか、過去のバイト経験も照らし合わせつつ、考えてみるといいですよ。
飲食業界で働くメリット・デメリット
飲食店で正社員として働く動機が弱い方に向けて、メリットを提示しておきたいと思います。また、デメリットもあるので参考にしてみて下さい。
メリット①飲食店の仕事は覚えてしまえば楽しい
忙しく慌ただしい飲食業界ですが、仕事も覚えてしまえば楽しいんですね。毎日ルーティン化されていて、仕事に飽きが来るような印象のある人もいますが、対人の仕事なのでやりがいも生まれます。
お客さんが大量に来た時など、どのように店を回してさばいていくのか。テトリスやぷよぷよみたいですが、どんどん増えるお客さんを対応する面白さがあります。
覚えるまでがしんどいと思ってしまう仕事は、慣れると楽しい物なので。努力は必要ですが、就職しやすいく慣れれば面白さが生まれるためやってみる価値はあると言えます。
メリット②飲食業界に慣れると仕事に困らない
飲食業界は、人の食欲を満たす仕事です。人の持つ三大欲求(睡眠、性欲、食欲)は、死ぬまで切り離せないですからね(笑)
仮に働いている職場が潰れても、飲食をやっている以上は仕事に困らない状況が生まれます。
職場のルールはありますが、大まかに見ると似たりよったりなので、マニュアルも身につくという話になります。
メリット③ノウハウを学べば独立も可能
飲食業界にバイトで入って、そこから正社員として働いたり、店長を経験したりしてノウハウを学ぶ人もいます。向上心があると、独立を考える人には最高の勉強の場です。
フリーターから独立できる業界となると、色んなハードルを感じる人もいるんですけどね。
働きながら学べることは効率的ですし、採用のチャンスが与えられやすい点を踏まえると狙い目でしょう。
雇われでも、頑張ればそれなりに稼げる夢を持てるのは素晴らしいことだと思います。
デメリット①酒・アルコールを扱う場では接客がツラい
酔っ払いを相手にしないといけない仕事はツラいところがあります。僕は幸い、ラーメン屋だったのでそこまで酔っ払いはいなかったのですが。
それでも飲みの後にやってきて、ちょっと何言ってるのかよく分からない人とかいましたから(苦笑)
居酒屋とかだと、ちょっと僕は嫌だなと思うところはあります。酔っ払いが嫌いな人は、なるべく昼間の飲食店で働くことを推奨しておきます。
デメリット②チームプレーが苦手な人は慣れが必要
飲食店なので、単独で成果を上げる仕事にはなりません。周りとの連携によって仕事が行われるので、チームプレーが要求されます。
コミュニケーション能力がそこまで高くなくてもいいのですが、できれば仲間と上手くやれる人であるに越したことはないですから。
なるべく一人で働きたいという方には、かなり向いていない仕事なので注意してください。みんなと張り切って頑張るのが好きな人は、逆に天職ではないかとさえ思います。
デメリット③楽をしたい人は難しい
基本的に楽をしたい人は難しいです。立ちっぱなしですし、忙しい時はフル稼働して頑張らねばいけません。
完全なる肉体労働ではありませんが、やはり勝負の肝は体力になります。スタッフが動かない飲食店なんて、ほぼ潰れかけに近いですから。
座って仕事がしたい、あまり動きたくないという考えが強い方は最初から避けておいた方が無難です。デスクワークなどに向かうべきでしょう。
ブラック飲食店を避けるための注意点【求人の探し方】
「飲食業界はブラックだ」なんて言う人もいますが、要は仕事の探し方が悪いだけです。そのため、ブラック飲食を避けるための求人の探し方をまとめておきます。
実際に店に行ってサービスを受けてみる
求人案件を見たら、まずはそのお店に足を運ぶべきです。これは簡単なことなので、誰でも出来るはずですよね。
お店の雰囲気って誰よりもお客さんから見る位置が、分かりやすく見える物なんですよ。見学したり面接の場で見ると、従業員もそういう時の態度が出ています。
お客さんのポジションだと、その店の日常を知ることになりますからね。ここなら働いても良いかな?と思える店だったら、そのまま申し込む手続きをしてみるといいですよ。
これは、一般の会社だと見学するしか方法がありません。飲食店ほど日常の風景がのぞける業界はレアだと伝えておきます。
飲食業界に詳しい専門アドバイザーの話を聞く
飲食専門の求人サービスを使うのもありでしょう。飲食系の求人ばかりを多く扱っているなら、当然担当の専門アドバイザーも在中しています。
どういう仕事をするのかや、過去に「ブラックだから」と辞めた人がいないかなど裏情報で把握できますからね。
飲食系に進みたいという旨を伝えて、がっつり情報を聞き出してみて下さい。多くの案件を扱っているところほど、条件通りの飲食店を紹介してくれますよ。
注意点として、現在のところ東京など都会を中心にしているところしかないのはネックとも言えます。
まとめ フリーターの就職に飲食業界を目指すのはアリ
飲食店への就職は、フリーターでも比較的容易です。無資格・未経験から始められる上に、ノウハウが集まれば更にステップアップできるのも魅力。
しかし、印象だけで勝手に判断して、飲食店は悪いイメージしかないと避ける人がいるのも事実。これはせっかく頑張れば道が開かれるかもしれないのに勿体ない話です。
そのため、飲食店への就職を考えるなら
- 求人サービスはしっかり選び、飲食に詳しい人のアドバイスを受ける
- 飲食店でも自分が働きやすいと感じる店や雇用形態を選ぶ
この2点を意識されるとスムーズです。フリーターから正社員の道が開かれている業界として、狙うのであればオススメして終わらせて頂きます。